遠い昔この地球の存在が人々の心に浸透していない頃、沢山の思いを持った人達が寄り添い合って生きていました。ある時、一人の者が重い病気を患い生死をさまよう状態となってしまいました。所がこの者達は人の死を見た事がなく、誰からも死んだらどうなるのかを聞かされておらず、このような状態に皆は大騒ぎとなりました。
そして皆でなんとか病気を治さなくてはと、思いおもいの行動をとったのでした。
栄養のあるものを細かく砕きなんとか口から流し込もうとする者、体を温める為に沢山のわらを敷き詰め火をおこす者。
しかし、意識はなかなか戻らず皆の不安はつのり、一人の者が山の神にお願いしようと高い山を上り、必死に大声をあげ山の神を呼び続けた。しかしなかなか山の神は現れず、皆で山に登り「どうかお願いです。助けてほしいのです。山の神よ、現われて下さい!」とこん身込めた叫びにやっと山の神は姿を現しました。
神は言いました。「なんの騒ぎなのじゃ。皆がこのように真剣になる事とは。」
皆は声をそろえて言いました。「助けて下さい。死にそうなのです。」
「ほう、そうか。いよいよその時が来たのか!」優しく微笑んで山の神は言いました。
「その者はやがてこの世を発つ事になるだろう。決して不幸なことではないのだよ。あなた達に出来る事は、ただ一つ。その者と共に生きて来た沢山の想い出にありがとう!と感謝しなさい。心からありがとう。そして又会おう。と体に触れ思いを寄せてあげなさい。
死ぬと言う事は神に召されるという事で、あなた達の心がその者にありがとうという思いを寄せてあげると安心してこの世をされるのだよ。これからはあなた達の心の友になる。別れではない。皆と共に生きて来たこの世での最期の感謝のお祭りをしてあげなさい。
ありがとう!の思いが一番の贈りものになる。死と言う経験は皆がする事で一つの区切りとなるもの、終わると言う事ではないのだよ。」
皆はそれを聞き、言われた通り皆でその者の体に触れ、涙を流しながら沢山の事を思い出しながらありがとう!と想いをそれぞれに寄せました。
するとその者の息は止まりとても安らかな表情でこの世を去ったのです。
一人の者の死を通して教えられた事、それは感謝の思いこそ全てを解消させてくれる最高の宝物であるという思いでありました。
「この世に生を受ける事・そして死を迎える事、共に感謝の思いなくして救われる事は無い!」と知らされたのです。
そして誰もが亡くなった者を想い出すとき、同時に心に熱いものが込上げて来たといいます。
それは皆で心から必死に捧げた感謝の想い、今まで経験した事の無い心の高まりでありました。
「感謝とは心から想うもの。そして皆に必要なものである。」と、心に強く浸透した出来事となったのです。
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